INDUSTRIAL HEMP

産業用ヘンプ

ヘンプ (HEMP) とは、繊維利用のために品種改良された大麻草のことで、欧米において大麻草の繊維利用研究が進むにつれいわゆる”マリファナ”と区別するため使われるようになった呼称です。もちろん産業用ヘンプには陶酔作用はなく*1、近年その茎から採れる繊維はエコ素材として再認識され始めています。

軽量かつ丈夫なヘンプの産業利用の歴史は長く、アメリカのフォード社は1929年に大麻の自動車への応用に着手しました。その後1941年には、10年以上にわたる研究結果をポピュラーメカニック誌に掲載しました。 『土から育ったオーガニックカー』というキャッチフレーズで発表された車は、ボディの70%が大麻とサイザル麻と麦わらが使用され、残りの30%は大麻の樹脂複合材から作られたヘンププラスチックで、燃料として大麻の種子から搾取した油を使用して走らせる事に成功しています。この車は同型のタイプの車と比較して、重量は3分の1に軽量化、一方で衝撃強度は10倍という圧倒的なスペックを誇りました。またヘンププラスチックは石油系プラスチックとは異なり、燃やしても有害物質を出さない点や生分解が可能な点で環境に優しく*2、抗菌作用も高い事から次世代のプラスチックとしての大きな可能性を秘めています。

EU地域でのヘンプの栽培面積は2011年時点では 8,000ha でしたが、2017年には 42,000ha と5倍以上に拡大しています。ヘンプは植物として非常に強い種であり、生育速度が非常に速く約120日で4メートルにまで成長するほか、害虫や病気に強いので農薬を使用せず栽培することができます。

 



 

HEMPFLAX社 (オランダ)

HempFlax(ヘンプフラックス)社は1994年創設されました。 2017年現在、オランダとルーマニアに2,500ヘクタールの自社農場を運営し、年間10,000トン超のヘンプ(麻)とフラックス(亜麻)の製品を供給しています。 自社農場を経営し収穫物の1次、2次加工を行なっています。ヘンプフラックスの不織布は メルセデス、BMW、ジャガー、ベントレイ、ブガッティといったヨーロッパの主要自動車メーカーの内装に採用されています。20年に渡る研究と開発により、今では名実ともにヨーロッパのヘンプ産業の旗手としての役割を担っている企業です。同社CEOのMark Reinders氏はヨーロッパ産業用麻協会の代表も務めています。


 

van.eko社(オランダ)

This Hyper Cool Electric Scooter Is Made of Hemp –

“This is a common technique for fabricating Formula 1 Supercars. High-impact transportation products, commonly made from steel, can actually be replaced by sustainable natural fibers without losing strength or performance,” – van.eko

オランダvan.eko社の電動スクーター “the Be.e”のボディはHempFlax製ヘンプ不織布が採用されています。